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2011年 07月 16日
我が家では家の周囲をひとまわりするだけで、いろいろな虫に出会う。虫嫌いな方にはとても住むことができない環境だ。かくいうわたしも、青虫の系列や刺す虫はさすがにご遠慮申し上げたい。
でもよく見ると自然のなかには、すばらしいデザインの虫がたくさんいる。今日、ミツバの茂みで休んでいたのは、シロツバメエダシャク。日の陰った場所の緑の葉に真っ白の羽が映える。茶色の線や赤みがかった丸ポチはどういう意図なのだろう。 日向をせわしく飛びまわるベニシジミは、なかなかカメラに納まってくれない。シジミチョウにはいろいろな種類がいるようだが、形といい模様といいどれもよくデザインされている。 さて、この時期、いつも来てくれるかどうか、わたしたちをどきどきさせるのはオオムラサキ。今年も、ひらりと登場した。大きな羽をばっさばっさと動かして、かなりのスピードで飛んでいく。広げた羽は、深い紫色でほれぼれする美しさだ。 この辺では珍しくないカブトムシやクワガタも、形、質感とも、いったい誰がこんなデザインにしたのだろうかと思うほど。 森は、植物も昆虫も動物も、多種多様な生き物を育む大きな空間。 #
by mina_oya
| 2011-07-16 21:56
| la vie
2011年 07月 14日
関東甲信越で梅雨が明けて最初の週末。雲の勢いが一層増したようだ。この時期のこの雲、夕方になると急に黒く盛り上がるように表情を変え、雷と夕立をもたらす。からからに乾いた土を潤す恵みの雨でもある。そして雨上がりの、草の匂い、涼やかな風。 近所のスーパーで買った山梨の桃。この暑さからか、みずみずしく甘い。この夏の初物。 #
by mina_oya
| 2011-07-14 10:30
| la vie
2011年 06月 28日
それでも、今回の震災にともなう美術展被害について賠償請求するとしたら(今のところ、そんな動きは感じられないが)、それにどんな意味を見いだすことができるだろうか。ひとつには、現在の日本の美術館における海外展のあり方について、公に向けて問題提起をするという意義。それには、海外の有名ブランド美術館のコレクションの一部をもってくるだけの展覧会、ブランド画家の作品を集めるだけの展覧会への警鐘も含まれる。
作品を少しでも危険に晒したくない。所有者のその気持ちはよくわかる。逆の立場であれば、今の東京の美術館に作品は貸したくはない。 海外から作品を借りずに、どうやって展覧会をするのか。見る側はそんな美術展のどこに魅力を見いだすことができるのか。 今、この震災後の今だからこそ、わたしたち、展覧会をつくる側にはその企画力が問われている。自分たちのコレクションで、国内所蔵の作品で、どんな企画が生まれるだろう。そして、もしかしたら、海外の所有者が貸出を控えているなか、どうしてもいくつかの作品は海外から借りざるを得なくなるかもしれない。そのときには、きちんと展覧会の意図を訴え、その作品がその展覧会になぜ必要なのか、1点1点説明する。意味のある展覧会にたいする意味のある出品依頼であれば、所有者への交渉も意味が違ってくるはずだ。 では、見る側はどうか?美術における有名ブランド信仰から、少し・・・ほんの少しでも距離を置き、足元を見つめ、展覧会の意図そのものに目を移すことができるだろうか? わたしが所属する美術館は東洋で唯一の西洋美術「のみ」を扱う美術館。よりいっそうハードルは高く、試練は続く。 #
by mina_oya
| 2011-06-28 22:15
| l'art
2011年 06月 26日
新聞等の記事より。クラシックの公演で、震災いや原発事故以来、海外からの奏者の来日中止が相次ぎ、公演の中止等による損害が46億円を超えるということで、社団法人日本クラシック音楽事業協会がこれを東電に損害賠償請求する動きがあるらしい。これは他人事ではない。
日本中の美術館では、ほとんど常にどこかで海外から作品を借りて展覧会が開催されている。その規模に大小はあるが、今回の震災と原発事故の影響は甚大だ。要するに、海外の所有者が作品の日本への貸出を控えているのだ。貸し主が心配しているのは、作品と貸出にともない来日する付添人(クーリエ)の被爆。もっともだ。 最初に中止が公表されたのは広島の美術館で開催予定だった印象派の展覧会。海外の貸し主にとっては、広島が福島とどれだけ離れているかなど関係なかった。以後、各地でいくつもの美術展が中止、延期、あるいは一部作品の展示取りやめに至っている。今年の展覧会スケジュール全体の組み直しを余儀なくされた美術館もある。震災から2ヶ月、3ヶ月と経つうちに、東京以西の美術館では通常の運営に戻ったかのように見えるかもしれないが、これからの展覧会企画など水面下での影響は計り知れない。 こうした被害を金額にしたら、どのくらいになるのだろう。 しかし、実際のところ、家族や家、職場を失った人たち、農業や漁業で被害を受けた人たち、自治体などへの損害賠償の枠組みづくりも着手され始めたばかり。仮に今回の震災が「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたもの」(「原子力損害の賠償に関する法律」(昭和36年6月17日法律第147号)より)ではないと認定された場合でも、東電が賠償できる範囲は1200億円で、それを超える損害について国は「必要な援助」をすると書かれているだけで、具体的な援助方法についてはまだ不透明だ。それがたとえ国による資金援助であっても出所は税金、さらに、東電の損害は電気料金に跳ね返ってくる、つまりは、どう巡っても国民負担になることは必至だ。 1200億円。今回の被害の大きさからいえば、小さな額だろう。美術展被害を受けた当事者という立場でいえば、損害賠償請求は当然ともいえるが、人道的見地からは、やはり直接的に被災された人々の救済が第一だと思う。 #
by mina_oya
| 2011-06-26 13:51
| l'art
2011年 06月 21日
がんばって仕事をしている自分へのご褒美、数年に一度の覚悟で、オペラを観に行った。メトロポリタン・オペラの「ドン・カルロ」。全5幕4時間にわたるヴェルディの代表作だ。今回の公演は、直前まで出演者の交代が告げられる異例のものとなった。というのも、3月の震災の影響で、看板出演者が次々と降り、交代に次ぐ交代。指揮者もジェイムズ・レヴァインが来ないことになってしまった。最も豪華に揃えられていた「ドン・カルロ」も、他の出し物にヒロインをとられたりして、様相はがらりと変わってしまった。 それでも、層の厚いMetのこと、近年ニューヨークの公演で主役を張り始めた成長株を集めてきた感がある。指揮者のファビオ・ルイジも端正な指揮ぶりで、オケも見事に統率がとれていた。 ちなみに、upした動画は2010年11月のニューヨークでの「ドン・カルロ」の公演より。エリザベッタは今回代役で立ったマリーナ・ポプラフスカヤだ。 舞台美術や衣裳デザインでは、17世紀のスペインやフランドルの美術作品をよく研究していることが見てとられる。第1幕はまるでブリューゲルの絵画を見ているかのようだし、王や王妃の衣裳は、ベラスケスやルーベンスの肖像画に描かれている豪華な装飾を美しく再現している。宗教裁判長はどう見てもヴェネツィア派が描いた聖職者の肖像画だ。 最近では、わざとデザインをモダンにして、短髪で全身黒づくめのシンプルなワンピース姿の王女様やボディコンスーツの召使いが登場するようなものもあるが、今回は純正統。音楽と美術、演劇そして歴史の総合芸術であるオペラの醍醐味を見せてくれた。 残念だったのは音響か。武満徹が小澤征爾との対談で、日本にオペラ専門のホールがないことを嘆いていたが、それはもしかしたらこういうことをいうのかもしれないと実感した。わたしがいた席が3階の中央だったせいもあるのかもしれない。客席に張り出したオケのピットから、直に音が立ち上るようで、舞台上の歌手の声は少し奥に行くとこもりがち。ある場所に歌手が立つとオケの音に声がかき消されることがあった。とくにバリトンがきつそうだった。 パリのガルニエなどは19世紀に建てられたオペラ・ハウスなのだから、近代科学に基づいた音響など計算されていないだろうに、かの地ではそんなことを感じたことがなかった。これが伝統の違いなのだろうかと、ついつい非科学的な方向に考えが向かってしまった。 #
by mina_oya
| 2011-06-21 22:36
| la musique
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